貧血がつらい人におススメしたい青汁

「疲れやすくなった」「最近頭痛がよく起こる」「イライラしやすくなった」こんな症状がある方は貧血の可能性があります。貧血は若い女性の病気と思われがちですが、だれにでも起こりうる病気です。貧血は立ちくらみの印象が強いですが、顔色が悪いのも動悸も貧血の症状です。何か1つでも思い当たるものがありましたら、青汁を飲んでみることをおススメします。貧血の種類はいくつかありますが、6~7割は鉄欠乏性貧血で鉄分の不足が原因です。青汁を飲めば鉄分を摂取できる上に、効率良く摂取できる効果も併せ持っているので、是非青汁を飲んでください。この記事では具体的にどのような作用があるのかを説明します。

貧血が起こる原因

貧血は血中の赤血球に含まれるヘモグロビンが健康を維持する必要量を下回っているために起こります。ヘモグロビンは酸素を運ぶ働きがあるので、量が足りていないと脳や身体に補給した酸素を供給することができなくなります。立ちくらみは象徴的な症状で、脳に酸素が十分に行き渡らないために起こる症状です。

貧血は女性に多い病気と説明しましたが、女性は月経によって継続的に出血が続くため鉄分の不足が起こりやすくなります。また、妊娠すると胎児に栄養を届けるために鉄分の必要摂取量が増えるので不足しがちになります。そもそも鉄分は食事で補給した分の1割しか身体に吸収されないくらい吸収が困難な栄養素です。妊娠中は必要摂取量が増えるので余計に不足傾向になります。他にも女性はダイエットによって食事を制限している方もいらっしゃいます。その場合は栄養が偏って鉄分の摂取量が減るので、貧血のリスクはさらに高くなります。

また、現代はゆっくりとできる時間が少なく食生活は外食やファーストフードなどの栄養が偏った食事に頼りがちです。そのため鉄分の摂取量は男女共に不足しがちになるので、普段から鉄分を意識した食生活が求められます。そこで手軽に鉄分補給ができる青汁がおススメです。

貧血に青汁が有効

貧血対策は鉄分だけを補給していれば良いように思いますが、実は鉄分の補給だけでは貧血を解決することができない場合があります。貧血を予防するためには鉄分の他に、亜鉛や葉酸、ビタミン群の補給も必要になります。また、青汁に含まれるクロロフィルはヘモグロビンを助ける作用があるので有効です。鉄分の補給に限っていえばサプリメントを利用した方が効率的ですが、他の栄養素も同時に補給しようと思うと青汁の方が効率的に補給できます。ここでは貧血に有効な成分について説明します。

鉄分

鉄分は血液中のヘモグロビンを生成するのに必要な微量ミネラルです。酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンの原料となるので、大変重要な栄養素です。しかし、鉄分は吸収率が1割程度で低いので、不足しがちな栄養素です。1日に推奨される摂取量は成人男性で7.5mg
、成人女性で10.5mgです。
不足すると、酸素の身体への供給量が減るために貧血や頭痛、疲れやすくなるなどの影響が出ます。

亜鉛

亜鉛は鉄分の吸収を阻害する栄養素としてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。「貧血のときは亜鉛の摂取を控えた方が良いのでは」と考えがちですが、実は反対です。亜鉛は赤血球を丈夫にする作用があります。赤血球は本来なら100日程度の寿命があります。しかし、亜鉛が不足すると赤血球の膜が弱くなり早く壊れてしまいます。すると、ヘモグロビンが不足して貧血を起こすことにつながります。
貧血を起こさないために摂取すべき量は、成人男性で10mg、成人女性で8mgです。

葉酸

葉酸はビタミンB群に属する栄養素ですが、特に重要な栄養素なので独立して説明します。
葉酸は妊婦が積極的に摂取することを推奨されている栄養素で、細胞の分裂を司る栄養素です。妊婦が摂取することで胎児の細胞分裂が正常に行われ、先天性の障害になるリスクを下げることができます。他の働きとして、赤血球を正常に生まれるにも葉酸が必要で、不足すると巨赤芽球性貧血という貧血を起こします。
貧血を起こさないために摂取すべき量は、成人男性・女性共に240ugです。なお、妊娠中はプラス240ugの摂取が推奨されています。

ビタミン群

貧血を予防するためには様々なビタミンの摂取が必要です。
例えば、ビタミンB6はヘモグロビンの主成分であるたんぱく質の再合成に必要な栄養素ですので、不足するとヘモグロビンが作られません。また、ビタミンEは強力な抗酸化作用を持つ栄養素で、活性酸素を除去します。活性酸素が増えると赤血球膜の劣化が進み、溶血性貧血を引き起こします。さらに、ビタミンCは鉄分の吸収率を高める効果があるので、鉄分と同時に摂取したい栄養素です。

クロロフィル

クロロフィルは「緑の血液」と呼ばれるくらい人間の血液と関係が深い栄養素です。クロロフィルはヘモグロビンと組成が似ているので、摂取することで鉄分と結びついて赤血球やヘモグロビンを増やします。造血作用があるので貧血の予防に大きな役割を果たします。

食物繊維

食物繊維が貧血に効果的な作用の1つにデトックス効果があります。腸内に溜まった老廃物を排泄することで、腸内での栄養吸収率を高めることができます。鉄分や亜鉛、ビタミンの吸収が上がることで貧血のリスクを低くすることができます。また、コレステロールや中性脂肪が排泄されることで血液はサラサラになり、血圧が正常に近づきます。血流がスムーズになれば酸素の供給量も増えるので、貧血予防となります。

貧血対策で青汁を選ぶ際の注意点

青汁で効率的に鉄分を吸収できると説明しましたが、どんな青汁でも良いわけではありません。選ぶ青汁によってはベストといえなくなりますので、注意点を説明します。

お茶が入った青汁は選ばない

青汁には青臭さを消したり飲みやすくしたりする目的で抹茶や緑茶が入っているものがあります。飲みにくい青汁を飲みやすくしているのでありがたい反面、貧血対策で青汁を飲む方にはそのお茶が逆効果になります。お茶に含まれているタンニンという成分が非ヘム鉄の吸収を阻害するからです。タンニンを飲めば非ヘム鉄がまったく吸収されなくなるわけではないので、絶対に青汁と一緒に摂ってはいけないわけではありません。しかし、鉄分を摂る目的があるならお茶の入っていない青汁を飲むことをおススメします。

ちなみに、タンニンはお茶以外にコーヒーにも含まれていますが、青汁を飲む前やすぐ後にコーヒーを飲むと鉄分の吸収を妨害します。タンニンを含んだお茶やコーヒーをどうしても飲みたい場合は、食後2~3時間空けるなど食間に飲むようにしてください。

カルシウムの摂取を控える

鉄分の吸収を阻害する栄養素はタンニン以外にカルシウムもあります。青汁を飲む際に牛乳で割って青汁ラテにして飲む方がいらっしゃいますが、貧血対策の観点からはおススメできない飲み方です。タンニンと同様でまったく鉄分の吸収ができなくなるわけではありませんが、牛乳のカルシウムが鉄分の吸収率を下げることを理解した上で飲んでください。