青汁に含まれる難消化性デキストリンの効果

「生活習慣病やダイエットに効果がある健康食品には興味があるけど、安全性に不安がある」そんな方におススメなのが難消化性デキストリンが配合された青汁です。青汁だけでも健康や美容に効果的で、野菜不足の解消にもなるので習慣的に飲んでいる方がいらっしゃいます。しかし、その効果はハッキリとはわかりません。一方、難消化性デキストリンは特定保健用食品(トクホ)として国に認められている成分ですので、難消化性デキストリンが使われている商品は効果や安全性が高いといえます。では、具体的にどのような効果があるのか、この記事で説明していきます。

青汁によく含まれている難消化性デキストリンとは?

冒頭でも少し触れましたが、難消化性デキストリンは特定保健用食品であると、国に認められた健康機能成分です。特定保健用食品とは一般の健康食品とは違い、ある症状に対して改善するなどの効果が科学的に立証されたもので、公的機関による安全性に対する厳格な検証を経た食品です。健康のために青汁を飲みたいと考えている方におススメの理由がこれです。
また、デキストリンは添加物と思われることが多いですが、トウモロコシやジャガイモなどに含まれているデンプンに由来するので自然食品といえます。難消化性デキストリンはデキストリンを加水分解してできた水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は青汁にも含まれていますが、普段の食事では不足気味になりますので、青汁にプラスして加えることで、より不足分を補うことができます。
なお、難消化性デキストリンとデキストリンは加水分解している点で厳密には別物です。効能や効果に違いがありますので、パッケージを見て青汁を購入する際は注意してください。
難消化性デキストリンが特定保健用食品の健康機能として認められた効果・効能は以下の3つです。

  • 糖の吸収・血糖値の上昇をゆるやかにする
  • 脂肪吸収を抑制
  • 腸内環境改善

また、内臓脂肪の低減やミネラル類の吸収を促進する効果もあると考えられています。

難消化性デキストリンで生活習慣病を予防・改善

糖尿病の進行を防ぐ

糖尿病はインスリンの分泌量や機能が低下することで上昇した血糖値をコントロールできず、異常に高い状態が続いている病気です。本来食事をすると誰でも血糖値は上昇しますが、すい臓からインスリンが分泌されることによって、血中の糖を吸収してエネルギーに変えて血糖を下げています。しかし、インスリンに何らかの異常があると血糖値は高いまま戻らなくなってしまいます。これが糖尿病です。

糖尿病は1度発症すると二度と治せない病気ですので、発症すると進行を食い止めることが大切です。これに対して、難消化性デキストリンの「糖の吸収・血糖値の上昇をゆるやかにする」効果が役立ちます。糖は小腸で吸収されますが、難消化性デキストリンはそれを阻害する効果があるので、糖の吸収が抑えられて血糖値の上昇を抑えられます。血糖値が上がらなければインスリンの分泌も抑えられ、余分な糖を吸収することもなくなりますので、糖尿病にとって効果的です。
また、青汁はもともとカロリーが高くないので、難消化性デキストリン配合の青汁は糖尿病に最適な食事といえます。

動脈硬化を改善

動脈は心臓から全身に送り出された血液が通るパイプです。動脈硬化とはコレステロールなどが固まって狭くなり、弾力性がなくなってもろくなった状態です。動脈が硬くなると全身に血液を送るのに負担が増えるので、高血圧になったり、弱った血管が破裂しやすくなったりします。また、血中に悪玉コレステロールや中性脂肪の濃度が高まってドロドロの血液になることで、血栓が作られて血流が詰まり臓器が壊死することもあります。

動脈硬化の改善は脂肪の吸収を抑えることでできます。難消化性デキストリン配合の青汁を飲むことで脂肪の吸収が抑えられるので、血中の中性脂肪やコレステロール値が減少してドロドロで詰まりやすかった血液がサラサラになり血流が良くなります。血流が良くなると硬くなっていた血管が改善されます。また、血流が良くなると高血圧が改善されて、血管への負担が減少して脳梗塞や心筋梗塞のリスクが減少します。

腸内環境の改善でガン予防

腸内環境が悪化すると便秘になるだけと簡単に考えがちですが、実は便秘の放置はガンになるリスクを高めることになりますし、さまざまな身体の不調の原因になります。例えば、風邪をひきやすくなるのも、アレルギー反応を引き起こすのも肌トラブルも腸内環境が原因の可能性があります。腸内環境が悪くなって便秘になると身体の中に老廃物が溜まり、腐敗することで有害化します。その結果、免疫細胞の6割がいる腸が弱ると免疫力が低下します。また、アンモニアや発がん性物質のフェノールなどの毒素を発生させて身体の細胞にダメージを与えます。

難消化性デキストリンは水溶性食物繊維ですので、水分に溶けてドロドロの状態になって腸内を這うように動きます。そして老廃物や不必要な中性脂肪などを吸着して排出されます。腸内がキレイになることで悪玉菌が減少して腸内環境が良くなります。また、水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなって増殖を助けるので、悪玉菌の減少と善玉菌の増加の両方を行って腸内環境を良くします。

腸内環境が良くなると老廃物の排泄がスムーズになるので、毒素で細胞が傷つくことがなくなってガンのリスクが低下します。また、余った中性脂肪を排泄することから動脈硬化の改善にもつながります。

ダイエットにも効果的

難消化性デキストリンの効果は糖や脂肪の吸収を抑えて、内臓脂肪の低減する作用がありますので、ダイエットに効果的です。
ダイエットの効果を高めるためには食前に難消化性デキストリンを取り入れるのがベストで、食事の20~30分前に青汁を飲んでおくと効果的です。食前に飲んでおくと難消化性デキストリンが胃や腸の中に入ってドロッとしたジェルに変わって覆うことで糖や脂肪の吸収を抑える効果があります。糖の吸収を抑えられればインスリンの分泌が減るので、余分な糖は吸収されなくなります。糖が体内に余らなくなるので中性脂肪が増えずに、肥満になるのを防げます。

また、難消化性デキストリンは消化液で分解されないので、食欲を抑える効果もあります。ものを食べても糖や脂肪の吸収を抑えてくれて、食べようとする気持ちも抑えてくれるのでダイエットをするのに最適な成分です。
さらに、難消化性デキストリンは内臓脂肪を減少させる効果もあるとされているので、脂肪を溜めないだけでなく、不要になった内臓脂肪を減らす効果もあります。ダイエットだけでなくメタボリックシンドロームの解消にもなるので、生活習慣病の予防もできます。

ミネラルの吸収を高める効果も

以前まで食物繊維を摂取するとミネラルの吸収が阻害されるというのが一般的な考えでしたが、今は難消化性デキストリンによって大腸でのミネラルの吸収率が高まることがわかっています。ミネラルは毎日摂取する必要がある栄養素ですが、鉄分や亜鉛、マグネシウムなどは不足しやすい栄養素です。難消化性デキストリンを摂取するとミネラルの吸収率がアップするので、これらの栄養素を効率的に摂取できます。青汁にはこれらのミネラルが含まれているので、難消化性デキストリンが配合された青汁はミネラル吸収の観点からでも優れています。

難消化性デキストリンを上手に摂取するには

難消化性デキストリンは食前に摂取すると糖や中性脂肪の吸収が抑えられるので効果的な摂取方法は、難消化性デキストリン配合の青汁を食前に飲むことです。こうすることで糖尿病やダイエットに効果を発揮します。食後だとすでに糖や脂肪が身体に吸収されてしまうので、効果がなくなってしまいます。
また、3食すべてで飲めない方は、夕食前に飲むことをおススメします。朝食や昼食は食後に活動をするのでエネルギーを使ってカロリー消費がありますが、夕食はカロリー消費が少なく脂肪を溜め込みやすい上、カロリーが高めの食事になりがちです。

難消化性デキストリンは摂取に上限が決められていないくらい安全性が高い成分です。しかし、注意点は過剰に摂取すると便が柔らかくなりすぎて下痢を引き起こす場合があります。ダイエットや生活習慣病を短期間で効果を出したいと思って過剰に摂取することは避けてください。また、難消化性デキストリンは薬ではないため、飲みだしてすぐは効果が現われません。継続して飲んでいると少しずつ効果が現われくるものですので、途中で効果が現われないと諦めずに飲み続けるようにしてください。