青汁の原料って何があるの?

青汁を飲もうと商品を探しているとき、そのタイプや原料の多さに何が良いのか迷ったことがある方は多いようです。タイプに関しては粉末や冷凍、錠剤などありますが、ライフスタイルを考えれば比較的選びやすいと思います。一方、原料は一目で良し悪しを判断することができません。しかし、タイプ選びと同様に、青汁を飲むときは原料選びも大変重要な要素です。ライフスタイルに合わせてタイプを選ぶように、青汁を飲む目的によって最適な原料を選ぶかどうかで満足度が変わってきます。この記事では原料の特徴と期待できる効果・効能について説明します。

青汁は原料によって効果に違いがあります

青汁の原料はいくつもありますが、それぞれ含まれている栄養素に違いがあります。それぞれ栄養価の高さに違いがあったり、その原料にのみ含まれている特有の栄養素があったりするので目的によって相性の良し悪しが出てきます。例えば、ケールは緑黄色野菜の王様といわれるほど栄養価が高い原料で、特に抗酸化作用が強い栄養素を多く含んでいるので、アンチエイジングに効果的です。明日葉はカルコンという特有成分を含んでいて、老廃物を排出する作用や利尿作用が強いのでむくみ対策に効果的です。
青汁はどれもビタミンやミネラル、食物繊維がたくさん含まれていて栄養価が高いことは同じですが、原料によって若干の違いがあります。そのわずかな違いによって自分の目的との相性に違いが生じ、すぐに効果が出たり効果が現われるまでに時間がかかったりします。目的が定まっている場合は、原料ごとの特徴をしっかりと確認してから青汁を選択するようにしましょう。こちらでは青汁の三大原料といわれている「ケール」「大麦若葉」「明日葉」について解説します。

栄養満点の「ケール」

ケールの特徴

青汁といえばケールといえるくらい、青汁を有名にした原料です。味や風味のクセが強烈で、強い苦みや臭さを伴うので「青汁はマズイもの」という印象を決定づけた原料でもあります。しかし、ケールはその栄養価の高さと一年中安定して収穫できるところから、日本が食糧難であった時代に青汁に使われだしました。それ以来、飲みにくさはあるものの、栄養価が高く健康や美容に効果的なために青汁の主要な原料として使われています。
ケールで特筆すべき栄養素は、カルシウムやビタミンA・C・E、ルテイン、メラトニンです。その効果は骨粗しょう症予防や抗酸化作用、目の健康、快適な睡眠のサポートなどがあります。

ケールの効果効能

骨粗しょう症予防

ケールに含まれているカルシウムは牛乳の2倍以上で、100g当たり200mgを超えます。カルシウムの摂取量が減少気味にある現代人にとって嬉しい含有量です。カルシウムは骨粗しょう症の予防に効果的で、骨や歯を作るのに欠かせない栄養素です。また、骨にカルシウムを吸着させるにはビタミンKが必要ですが、ケールにはビタミンKがしっかりと含まれているので、骨や歯を丈夫にする効果は絶大です。特に女性は閉経するとエストロゲンの分泌量が低下します。エストロゲンは骨代謝に関与するので、エストロゲンが減少することで骨量の減少を招くので骨粗しょう症のリスクをアップさせます。しかし、ケールの青汁を飲めばカルシウムとビタミンKを摂取できるので、骨粗しょう症が心配な方におススメの原料です。

抗酸化作用

アンチエイジングというと肌の若々しさを保つこととイメージしがちですが、身体の内外合わせた細胞の若さを維持することです。老化とは身体の中の活性酸素が細胞を酸化させて錆びさせることで進みます。例えば、過剰に増えた活性酸素が皮膚を酸化させるとメラニンが増えてシミの原因となります。また、血液の中のコレステロールを酸化させることで血管内部に過酸化脂質という物質が増えてコブができ、血流を妨げるようになります。すると血管の柔軟性が失われて、詰まりやすくなったり、脆くなったりします。この状態が動脈硬化で、脳梗塞や心筋梗塞の原因の1つです。
ケールにたくさん含まれているビタミンA・C・Eは老化の原因となる活性酸素を除去する働きがあるので、ケールの青汁を飲むと身体の内外の細部を若く保ち、結果的に健康で美しい身体を維持することができます。

目の健康維持

現代はスマートフォンやパソコンなどの画面を見続けることが多くなったり、降り注ぐ紫外線の量が増えたりしたことで目が受けるダメージも増加しています。そのダメージから目を守っているのが天然のサングラスといわれるルテインです。ケールにはルテインがたくさん含まれていて、目の疲れや病気を予防しています。

睡眠の質を高める

テレビやスマートフォンが発する音や光、または仕事などが原因で寝る時間がどんどん遅くなって、睡眠のリズムが狂っている方はたくさんいらっしゃいます。睡眠リズムが狂うとお布団で横になってもすぐに寝つくことができなくなり、仮に眠れても途中で目が覚めたりして質の悪い眠りになってしまいます。
そんな狂った体内時計を正常に戻してくれるのがケールに含まれているメラトニンです。メラトニンは不眠症にも効果的で、寝つきが悪い以外に寝てもすぐに起きてしまう方にも効果的です。また、ケールで安眠効果を高めるには睡眠前に飲むのがおススメです。

近年流行の「大麦若葉」

大麦若葉の特徴

近年青汁の需要を高めている原料が大麦若葉です。まだケールには及びませんが、ケールと比べてその飲みやすさと栄養の高さから注目を集めています。
ケールはなんといっても飲みにくいので多くの方から敬遠されていますが、大麦若葉は苦みやニオイがほとんどないので、青汁をおいしく飲めます。また、おいしい上に栄養面でもケールに引けを取らない栄養価の高さを誇りますので、ケールの青汁で挫折した方は大麦若葉の青汁を試してみてください。大麦若葉の青汁の特徴などについて詳しくはこちらのサイトもご覧ください。
大麦若葉にはSOD酵素という強力な抗酸化作用を持つ栄養素が含有されているので、生活習慣病の予防に大きな効果を発揮します。

大麦若葉の効果効能

生活習慣病の予防

大麦若葉にはSOD酵素という抗酸化作用を持つ栄養素が含まれています。SOD酵素の抗酸化作用は強力なため、活性酸素の除去に有効で生活習慣病の予防に期待ができます。そもそも体内にはSOD酵素が存在しますが、加齢とともにその数は減少します。一方で、活性酸素は現代社会が活性酸素を生み出しやすい環境であるのと同時に、加齢によっても増加していきます。活性酸素が身体の中に多い状況は身体の細胞がどんどん酸化して機能不全に陥りますし、ガン細胞を生みやすくなります。血管にもダメージを与えて動脈硬化になり、塞栓症や血栓症を発生させます。
しかし、SOD酵素を摂取できる大麦若葉を毎日飲むことは活性酸素の蓄積を減らすので、生活習慣病の予防になり健康を維持するのに大きな意味を持ちます。

新陳代謝のアップ

むくみや冷え性でお困りの方が多いですが、大麦若葉の青汁なら改善を図れます。
むくみや冷え性の原因の1つは血流が悪いことです。血流が悪いと身体に十分な酸素や栄養が供給できないので、体中の細胞は機能低下します。すると新陳代謝が低下して発生する熱も下がり、身体を温められないので冷え性が起こります。また、血液は酸素や栄養以外に老廃物を運搬する役割もありますが、老廃物を運搬できないと身体に溜まってむくみとなります。
この症状に効果的なのが新陳代謝に関わる酵素のサポートをする亜鉛です。亜鉛を摂取することで新陳代謝が促されてエネルギー効率がアップします。また、大麦若葉は抗酸化作用のあるビタミンAによって血流を良くしたり、造血作用のある鉄分や葉酸などで血流がアップしたりするので、むくみや冷え性に有効です。

眼精疲労を回復

大麦若葉はβカロテンが豊富に含まれていて、ビタミンAに変換される栄養素ですので眼精疲労に効果的です。ビタミンAはロドプシンという目で受け取った情報を脳に伝える働きのある物質の生成に必要な成分です。ロドプシンの働きが悪くなると視力が落ちたり視界がチラついたりしてものをしっかりと捉えることができません。その状態が続くと眼精疲労を起こします。反対に、ビタミンAを十分に摂取しているとロドプシンが生成されて、ものが異常なく見えるので目に疲労が蓄積することがありませんし、眼精疲労の改善にも有効です。さらに、目の疲れは肩こりも併発しがちですので、目の疲れによる肩こりを予防できます。

効果効能に注目が集まる「明日葉」

明日葉の特徴

明日葉はケール・大麦若葉と並ぶ青汁の3大主原料の1つで、栄養価が高い原料です。野菜の王様といわれるケールと同レベルの栄養含有量があり、その栄養バランスも優れているのが特徴です。さらに、ケールや大麦若葉にはないカルコンという特有の成分が含まれているので、他の青汁では期待できない栄養素同士の相乗効果があります。栄養価が高く他にない栄養成分を含んだ明日葉ですが、大麦若葉と比べると苦みやニオイがあるので、飲みにくさがあります。しかし、栄養の豊富さで青汁を選ぶなら、候補に入れたい原料です。

明日葉の効果効能

青汁の中でむくみに一番効果的

むくみに効果的な成分はいくつもありますが、その中でもカリウムは特に効果的な栄養素です。むくみは身体の中に水分を多く蓄えることで起こる症状ですが、カリウムが不足すると起こります。実は身体の中はカリウムとナトリウムの濃度が一定のバランスで保たれています。しかし、カリウムの濃度が下がったり、塩分を過剰摂取したりしてナトリウムの濃度が高くなるとナトリウムの濃度を下げるために身体の中の水分量を増やします。これがむくみを起こします。
明日葉はカリウムの含有量が青汁の中で一番多いので、むくみに効果的です。もちろん、カリウムだけでなく、明日葉特有のカルコンやクマリン、βカロテン、ビタミンEなどの抗酸化作用のある栄養素をたくさん含んでいるので、血流を良くする効果があります。すると新陳代謝がアップし、身体の巡りが良くなることからむくみの改善・予防ができます。

明日葉特有のカルコンの効果

明日葉は栄養価が高いので、健康や美容に対して広範囲に効果を発揮しますが、特にカルコンの効果でむくみや生活習慣病、ダイエットに効果的です。
明日葉はカリウムがたくさん含まれているのでむくみに有効ですが、これに加えて、カルコンの利尿作用によって水分代謝がアップして身体の老廃物が水分と一緒に排出されるのでより効果的です。さらに、老廃物が排出されると血液がサラサラになり新陳代謝がアップすることで、カロリー消費量も増加します。その結果、皮下脂肪が消費されやすくなって、セルライトの解消にも役立ちます。

また、カルコンはアディポネクチンという脂肪細胞から分泌されるホルモンの生産促進効果があります。アディポネクチンの働きは糖や脂肪の代謝を高めたり、傷ついた血管の修復をしてかつ拡張させたり、脂質代謝を高めることでインスリンの効果を高めたりします。カルコンを摂取することで期待できる効果は、動脈硬化や糖尿病、高血圧の予防、ダイエットがあります。脂肪の蓄積を抑制してかつ血流をアップさせて新陳代謝を上げるので、生活習慣病を予防しつつ、ダイエットも期待できる女性に嬉しい栄養素です。また、体温が上がるので冷え性の予防改善も明日葉の青汁なら期待できます。